いすがすき

 レストランによくある、片方がソファで片方が椅子の席。女性はソファに通されがちだ。目上の人との場だからと、椅子側に座っても「そうするのは日本だけなんだよ、女性は奥に行きなさい」などと、欧米か!欧米かつダンディか!とソファに通されることもあった。だが、だがだが、言わせてください。私は椅子が好きなのだ。

 いすがすき。いす派!いす派!あのね、机と自分との距離をすごく詰めたいの。そしたら前のめりにお話を聴きながらも深く腰掛けれるから。ソファ席で前のめりトークつまり傾聴姿勢を示すとすると、もはや座っているのか中腰なのかみたいな体勢になってむちゃくちゃ肩がこるのだ。ソファでゆったり感を提供いただいたと思わせて、その場は私にとって修行の場と化す。その他椅子派の主張理由としては、肩こり過ぎて良い感じに鋭利な椅子の背もたれでツボを刺激したいという思惑もございます。

 机と近づきたい問題は、椅子なら自分で調整できる。前に詰めればいいからね。だがソファだと、机を自分側に引くという暴挙を行わなければならない。相手が目上の人の場合、レストランの格が高い場合、そして机が固定されている場合、この暴挙はtoo much 暴挙 でさすがに致しかねる。

 以上の理由から、いすがすきなんす。いすがすき。いすでいいじゃなくいすがいい。

あっ、奥行ってください、いやいや、私がこちらで、いやいや、みたいな日本人ラリーで、時間を無駄にするのはご不要です。どうか私を下座に座らせてください。両方いすの席だったらガッツポーズ。いすがすきっていうか、肩こりがひどいという話だったかも。

 

 

 

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